本日の滅菌報告 2024.07.05
当院では滅菌の工程や結果を文書化して公表しています。
これを専門用語で「滅菌バリデーション」といいます。
これは医療の世界では当たり前なのですが
歯科医院で行っているのはほとんどきいたことがございません。
以下はその日々のご報告です。
滅菌は高温の蒸気を医療機材に触れさせて行います。
その蒸気を発生させる滅菌の機器をオートクレーブと言います。
本稼働の前に朝一番でオートクレーブがしっかり機能しているか
始業前点検を行ってから、実際に機材の滅菌にかかります。
当院では始業前に2種類のテストを行っています。
これは、滅菌の機器が所定の機能を発揮しているか、事前にチェックするためです。
滅菌は基本的に滅菌したい機材を紙の袋でパックしてから処理をします。
ところが滅菌器の発生した蒸気はその紙のパックを通過して内部の機材に作用しな
ければなりません。また、紙だけでなく布やガーゼなども通過して
細かいところまで蒸気が入っているかをテストするものです。
そのチェックに使う機材がこちらになります。これを滅菌器に入れ試運転を
します。中に入れた試験紙が反応すれば蒸気が染み渡っていることを確認
できるこという事です。
GKE社のコンパクトPCD for BDテスト です
欧州規格のEN-ISO 11140-4 に適合します
(7kgのコットンパックに相当します。)
欧州規格のEN-ISO 11140-4 に適合します
(7kgのコットンパックに相当します。)
二つ目は「ヘリクステスト」といい細い1.5mの管の先に試験紙をつけてその先まで蒸気が到達するか確認するテストです。
特に歯科の機材は中空になっていることが多く、血液に混ざって細菌やウイルスが
その後、本稼働となります。本日は試運転含め3回高圧蒸気滅菌を行いました。
オートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)が滅菌を確実に行っているかモニターするには
□ 物理的インジケーター
(毎回、リアルタイム)
□ 化学インジケーター
(クリティカルな機材を滅菌するときには内部へ)
□ 生物学的インジケーター
(クリティカルな機材が被滅菌物に含まれる場合)
の3種類で確認します。
1.物理的インジケーターは唯一リアルタイムに温度と圧力をモニターします。
当院は2台のオートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)があり交互に使用しています。
1号機 S/N 10-1513 本日は稼働しておりません
2号機 S/N 12-6369 N本NO.03318−03320
2.化学インジケーター
(リトマス試験紙のように色が変化することによって、滅菌がされているか確認します)
テスト前はこのように白または黄色をしています
↓
白い所が黒変化し、滅菌が問題なく完了したことを示しています。
3.生物学的インジケーター
(この化学的インジケータや生物学的インジケーターも厚紙を重ねたものの内部をくりぬいて
そこに入っています。より実際の条件に沿うように負荷をかけた状態を再現しています。)
(アンプルに入っている細菌を滅菌します。
その後1時間培養し菌が死滅して増殖して
いないことを確認したのちに機材を配布し
て使い始めます。必ず一つ「+」の表示が
ありますが、コントロールといい、滅菌
しないで培養すると、きちんと細菌が増殖
することを確認しているためです。
コントロールの培養の位置well#10が指定席です。
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