本日の滅菌報告(2015.05.01) 記録の理由3

本日は4回高圧蒸気滅菌を行いました
無事滅菌機器は稼働していることをここにご報告します。
No.6224-No.6227
前回からの続き
この機材を包んでいるパックの表面には温度が加わると色が変わる印字がされています。
しかし、これはある面、外を包んでいるパックが滅菌されているということで、内部の機材が滅菌されている証拠にはなりません。ですから、実際の機材と一緒にこのパッケージの中に滅菌されているかどうか判別するテスターをいれます。
これには、1.化学的に温度に反応して色がかわるものと2.生物学的に評価する方法があります。生物学的に検査する方法は試験管の中に細菌(芽胞)が入っていて滅菌器に入れた後に培養して細菌が生きているか確認する方法です。
滅菌器が正常に稼働していても、内部に機材を詰め込み過ぎると蒸気が細部に均等に回っていかない可能性もあるためです。
 さらに、パッケージそのものの評価も必要です。滅菌器内部を真空にすると機材を包んでいるパッケージが風船のように膨らみ隙間ができる可能性もあります。
パッケージはビニールを熱で溶かして封をします。しかしその機材(シーラー)は、ほぼすべての歯科医院では食品工場でつかう非常に簡易なものです。封の幅が5〜6mmですので国際標準規格の医療用は12mmとなります。さらに、簡易なもので連続使用すると温度が下がり、封そのものがしっかりされていないこともあります。これも医療用のシーラーではマイクロプロセッサーで温度や圧力、時間を管理、SDカードやUSBメモリーに記録できます。当院で導入した機材は歯科で導入実績がなく「歯科医院に導入したことは全国で初めての例です」と言われました。歯科の業界のかたもどなたも存じなかったようです。
はたしてそれでよいのでしょうか?
 記録していくのは、滅菌保証と品質の標準化につながると考えます。歯科医院は歯の治療だけでなく、外科医療の安全管理のプロでなくてはいけないと思うのです。保健所のチェックがあるだろうと思われるかもしれませんが、今の日本の医療機関に求められるレベルは滅菌の機械が導入されていなくても法律上問題とされないことが問題かもしれません。
 続く




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